有川譲−LaLa全サ・ナレーション&ラブメッセージ
ナレーション/有川譲
   先輩のことは俺が守ります
   あなたを守るために俺は必要なんだと──そう思わせてください


祖母の形見が…白くて丸い石の玉が、
なぜか制服のポケットに入っていて変だなと思ったんですけど
今にして思えば、ここから始まっていたのかもしれません
八葉のことも、京のことだって…すべてがここから──

源平合戦の時代によく似た、けれど異世界
そんな夢みたいな話、もちろんすぐにはとても信じられませんでした

だけど、制服がいつの間にか和服に変わってたり、
電車や車の、音も姿も一切なくて…
そのうえこの世界には怨霊が現れる

いつまでも、これは夢だ!とか、
信じられない!なんて言ってる場合じゃないなって…
兄さんとも再会できましたしね

始め俺は、先輩が源氏と平家の戦に巻き込まれるのも
怨霊たちを封印することにも反対でした
彼らがしているのは戦争で、俺たちは素人ですから

でも今は、八葉としてできることがあるなら、
この弓で守ることができるなら、
力を尽くしたい──そう思います

兄さんはこっちに来ても相変わらずで
どこで何をしてるんだ?
先輩の傍に居ることより、大事なことなのか?
──。
それでも、兄さん以外の八葉とは順調に仲間になって
だけど、平家には還内府という存在があって
俺たちを危機に巻き込む──

怨霊を封印し、龍脈に流れる力を…
白龍の力を取り戻したら元の世界へ帰れる
分かっているのに、どうして俺にはそれを
叶えるだけの力がないんだろう

どんな悲しみからも、あなたを守れるだけの力があればいい
誰にも何も言わずに、ただ一人で立ち向かおうとするあなたを
俺は──

いつか、俺たちの世界へ帰る日が来るとしたら──
…いえ、なんでもありません

一緒に帰りましょう、先輩


ラブメッセージ/有川譲
先輩、おはようございます

夕べはよく眠れましたか?
…まだ熱がありそうですね
すみません、俺がもっと早く先輩の不調に気付けていたら…

いいえ、俺の責任です
先輩は何も言わずに頑張りすぎるところがあるって分かっていたのに…

え?いい匂い?
あぁ、お粥なら食べられるかと思って作ってみたんです
もう少し体調が良くなってきたら、うどんなんかも食べますか?

そうだ、何かリクエストはありませんか?
なんでも言ってください
俺が作るものでよければ、いつでも出来立てを持って行きます

…そんな迷惑だなんて思ったこと、一度もありませんよ
先輩は、いつも美味しそうに食べてくれるでしょう?
それだけで俺は…あ、えっと、だからその…
風邪には体力を付けるのが一番ですからね

フー、フー…、
まだ熱いですから、ゆっくり…味、ちゃんと付いてますか?
そうですか、良かった

…料理するときのコツですか?
なんだろう、あまり意識したことがないからな
コツっていうか、できるだけ家にある材料で
作ろうとは思うんですけど…

その点、兄さんなんかはあれでいて
冷蔵庫の残り物を使った料理が得意なんですよ
こう、まんべんなく使い切るというか…
ああいうのも生活力があるって言うのかな?

あ、俺が言ってたってことは内緒にしてもらえませんか?
でも…そうですね
俺の場合、食べてもらいたい人を思い浮かべる、かな
月並みな答えですけど

一緒に食卓を囲むって、なんだか特別なことのように思えて…

あ、先輩!急に立ち上がったりしたら…
え?献立表を作る…?一体どうしたんですか?
そりゃもちろん、先輩がいるんなら作りますけど…

…は?いえ、俺は別にホームシックなんかじゃ…
あの…先輩?
聞いてないな…仕方がない人だな、まったく

先輩、どうせだったら一週間分と言わず…
いえ、明日も明後日もあなたが食べたいものを俺が聞きますから

だから、いつでも直接…俺に言ってください